嶋さんはお休み
2018年 03月 04日
◆オープン戦=星野仙一氏追悼試合= 中日2―9楽天(3日・ナゴヤドーム)
楽天・嶋基宏捕手(33)が3日、中日とのオープン戦(ナゴヤ)で今季初出場し、3打数2安打3打点と開幕マスクへ順調な仕上がりぶりをアピールした。
必死に食らいついた。3点リードの3回2死二、三塁。低めのフォークにバットを当て、意地で右前に運んだ。二塁走者・今江の激走もあって貴重な2点の追加点をたたき出し「つなぐ意識で打席に入りました。いいところに落ちてくれましたね」と不敵に笑った。
右ふくらはぎの違和感のため、キャンプは2軍スタート。2月末に1軍に合流し、この日が1軍での初実戦。故・星野仙一球団副会長(享年70)の追悼試合だったこともあり、思いも強かった。「追悼試合だからといって特別なことは出来ないけど、いつもどおり星野さんに教えて頂いた闘争心、勝ちにこだわって1試合ずつ戦うことを意識した」。首脳陣からは揺るぎない信頼を寄せられているが、結果にこだわった。
梨田昌孝監督(64)は主将の復活に「足にまだちょっと不安があると思うし、万全ではない。声は120%、足は50%くらい。でもいるかいないかでは全然違う」と存在の大きさを改めて実感。嶋は右ふくらはぎの状態について「まあ、大丈夫です」と話すにとどめたが、経験豊富な正捕手に心配はいらなさそうだ。
<楽天>故星野さん追悼試合 嶋、闘将の遺志胸に刻む 攻守けん引「勝ちを意識」
故星野球団副会長の追悼試合で東北楽天主将の嶋が気を吐いた。オープン戦初出場で2安打3打点とチームの勝利に貢献。「試合で負けては駄目だと星野さんに言われ続けてきた。オープン戦だが、常に勝ちを意識した」と落ち着いた表情で振り返った。
「追悼試合だからといって特別変わったことはできない。相手に向かう気持ちで臨んだ」。攻守の要はひたむきなプレーで仲間を鼓舞した。昨季痛めた右脚に不安は残るが、気迫あふれる姿は健在。梨田監督は「脚は50パーセントだが、声は120パーセント。嶋がいるといないでは全然違う」とうなずいた。
4-1の三回2死満塁、山井のフォークボールをしぶとく右前に落とす技ありの一打を放った。二走今江が一度はアウトを宣告されたが、今季から導入される「リクエスト」制度で判定が覆り生還。頼れるベテラン2人の奮起に刺激された打線はオープン戦初の先発全員安打で9点を奪い、投手陣を援護した。
日本一になった2013年など4季監督を務めた星野氏と共に、嶋は主力選手として球団の歴史を築いてきた。「(星野氏が植え付けた)闘争心や勝ちにこだわる姿勢を忘れず、戦っていく」。亡き闘将のDNAはしっかりとチームに受け継がれている。